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『おもひで屋』感想

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今年に入ってから、積極的に人に会うよう努めています。昨年は全くと言っていいほど人に会うことをしなかったので、コミュ障具合が増してしまいました。

このままではいけない!そう思って、いろいろな人に出会う工夫を2017年はしています。

 

出会う人たちは、タイプの違う人たちが多く会って話すととても新鮮です。

この間、新しく出会った人たちと本の話題になり、おすすめの本を何冊か紹介してもらいました。

 

その中の一冊が『おもひで家』です。

紹介してもらってすぐAmazonで注文し取り寄せました。

 

 

内容紹介

初めて聞く母の声、初めて見る父の姿。そこで少年が出会った四日間の奇蹟。甲子園出場の道を断たれ、同時に母を失った、西沢素晴。失意と絶望の中に届いた「想い出チケット」を手に、素晴は19年前の世界に向かった。父の甲子園への夢を叶えるため、そして、列車事故に遭う母を助けるために…小松左京賞作家が描く、切なくて心温まる感動のストーリー。

 

著者について

上杉/那郎
1962年生まれ。日本歯科大学卒業。現在新潟市在住。「セカンドムーン」で第8回小松左京賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

 

物語について

主人公:素晴の母親は、主人公が生まれたときから眠った状態「植物人間」の状態でした。父親も生まれたときから行方不明で、両親の愛情を感じることなく育ってきました。

 

ある日、「おもひで屋」とよばれる団体から一枚の葉書が届きます。

 

想い出はいらんかね、心あたたまる想い出は。

幼い頃はぬくもりを、おとなになったら自信を与え、いつか老いて振り向く時、想い出だけが友だちだ。

だけど、あなたにゃそれがない。辛い"今"を生きるあなたには。

ひとつ、あなたにさしあげましょう。

 

 

気になった素晴は送り先を辿り、おもひで屋を訪れ、そこで不思議な体験をすることになります。

 

時空を超えて両親に会いに行く

物語はタイムスリップもの。

自分の母親がなぜ植物人間なってしまったのか。父親はなぜ姿を消してしまったのか。

二人の記憶を追体験し、真実を知る物語です。

 

過去でのルールは、「過去に干渉はできるが、過去は変えられない」というもの。

 

タイムリープお決まりの「過去を変えたら未来が変わってしまう」などの細かい設定はなし。故にこの設定に関しては二重丸の評価が適当だと思いました。

なんやかんや時間軸がうんぬんというのは、複雑なので僕の脳力に余るというものです。

 

テーマは家族愛か

自分の出生の謎を突き止めるべく、当時の年代に戻る素晴。

一緒に住んでいたじっちゃんも若返り、自分と同い年だった父母にも会うことになります。一体なぜ両親がいなくなってしまったのか。そして変えられない運命に必死に抗おうとする家族の姿が胸を打ちます。

 

シンプル過ぎる設定

いい意味でシンプルな設定なので、細かなことを気にせず読み進めることができました。反面、シンプル過ぎるところが仇となって、やや描写不足なところもあったのかなとも感じました。そもそも「おもひで屋」って一体なんだったの?と最後まで謎は解けないまま。もしかして続編やシリーズものなのかな?とも思い、調べてはみたもののそのようなこともなく。

 

あと登場人物の粗暴さもあまり合いませんでした。丁寧な言葉遣いをするキャラクターが一人も登場しないのは、あんまりにも極端かなーと思いました。

 

エンディングはよかったと思うが

最後の家族3人が揃うシーンは感動しました。素晴がなぜ両親を無くし、一人で生きてこなければいけなかったのか。その謎が解消され、エンディングを迎えたときは、すっきりとした気分になりました。

 

しかしその他の描写が不足していた、というよりは僕にはあまり合わない作風だったのかもしれません。

 

恋敵?である岩間の器の小ささにもやや違和感を感じてしまいました。いっぱしの教師が19歳の子どもに向かってクズ呼ばわりしたり。最後まで中途半端に付きまとう邪魔者で、何をしたかったのかわかりません。素晴のスクーターを盗んで、今までどこで何をしていたのでしょう?

 

まとめ

シンプルな設定のせいか、やや不満足な点が多く残った作品かなと思います。

 

過去に樋口京輔という名義で作品を出していたようです。Amazonで検索をかけたところ、レビュー数はほぼ皆無...。もしかしたらあまりメジャーな作家さんではなかったのかもしれません。

 

新潟市に住んでいらっしゃるとのことで、そこに関して非常に親近感を覚えました。

ぜひ次回作は新潟を舞台に書いてみてほしいと思います。

 

それではまた!