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【書店スタッフの熱意と苦労を知れ!】『桜風堂ものがたり』感想

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先日「読書会」なるものに参加をしてきました。自分が読んだ本を持ち寄って感想を述べる会。ただそれだけなのですが、新鮮でとても楽しかったです。

集まった人たちのほとんどが、周りに本を読むという人が全然いないとのこと。僕も例外ではなく、「本を読む」ということを共有できないモヤモヤ感に悩まされていました。

意識しないと本を読む習慣は身につきません。習慣は一回身についてしまえば、こなすのは簡単になってきます。読書習慣は身につけて損はないと強く思ってます。

 

読書会で紹介を受けた本が4冊。そのうちの1冊を早速読みました。『桜風堂ものがたり』です。

 

 

 

内容紹介

百貨店内の書店、銀河堂書店に勤める物静かな青年、月原一整は、人づきあいが苦手なものの、埋もれていた名作を見つけ出して光を当てるケースが多く、店長から「宝探しの月原」と呼ばれ、信頼されていた。しかしある日、店内で起こった万引き事件が思わぬ顛末をたどり、その責任をとって一整は店を辞めざるを得なくなる。傷心を抱えて旅に出た一整は、以前よりネット上で親しくしていた、桜風堂という書店を営む老人を訪ねるために、桜野町を訪ねる。そこで思いがけない出会いが一整を待ち受けていた……。一整が見つけた「宝もの」のような一冊を巡り、彼の友人が、元同僚たちが、作家が、そして出版社営業が、一緒になってある奇跡を巻き起こす。『コンビニたそがれ堂』シリーズをはじめ、『花咲家の人々』『竜宮ホテル』『かなりや荘浪漫』など、数々のシリーズをヒットさせている著者による、「地方の書店」の奮闘を描く、感動の物語。

 

著者について 

村山/早紀
1963年長崎県生まれ。『ちいさいえりちゃん』で毎日童話新人賞最優秀賞、第4回椋鳩十児童文学賞を受賞

 

書店員のイメージ

読み始める前までは、書店員のイメージがいまいち湧いていなかった僕です。物語は書店員(書籍を扱う人たち)である月原一整(つきはらいっせい)がさまざまなきっかけを経て、桜風堂という書店を営むようになる、という物語。

 

書店員は、届いたら本を並べる、お会計を済ませる、ぐらいのイメージしかありませんでしたが、この本を読んでイメージが一変しました。

 

まず書店員は本を売る職業なので、「本が売れるためにはどのようにしたらいいのか」を真剣に考えなければいけません(当たり前ですが)。POP広告を作成したり、売れる本とそうでない本を見極め発注をしたり、企業とのタイアップまで幅広く試行錯誤をせねばなりません。

あと一つ条件を加えるのであれば、本が好きかどうか。どの仕事もそうですが、熱意があるのとないのとでは、仕事の質が変わってきます。

 

主人公はその売れる本を見つける技術に長けていて、「宝探しの月原」と呼ばれるほど周囲からの信頼は厚かったのです。

 

しかしある日、書店の本を盗む万引き少年を見つけます。現場を見られた少年はすぐさま走り去りますが、主人公は本を取り返そうと追いかけます。必死で逃げる少年は周りの状況も把握出来ていなかったのか、道路に飛び出してしまい交通事故に遭います。

幸い命に別状はありませんでしたが、少年を追い詰めた書店員に非難が殺到。ネットなどで「人殺し」と言われるほど誹謗中傷にあいます(FacebookやTwitterなどの用語が出ることから、時代の背景に合わせて細かく描写されているなと思いました)。

 

主人公は理不尽な理由ですが、自ら責任を取る形で書店を辞めることになります。

彼は純粋に「売れるべき本たちを売ってあげたい」という気持ちにあふれた青年でした。その希望が徐々に打ち砕かれていく様は、読んでいて悲しくなりました。

 

一瞬、絶望しかかった彼でしたが、救いの手を差し伸べたのが「桜風堂」の店主でした。そして、ひょんなことから、書店の一店員であった主人公が、店主になるストーリー。

しかしこの本は決してサクセスストーリーなどではなく、主人公や主人公を取り巻く周りの人たちが、どれだけ本に対して愛情を持っているかを表現した作品だと思います。

 

恋愛パートあり

個人的に好きなサイドストーリーとしては、恋愛パートですね。

ネットで本が好き同士で連絡を取り合ってた二人がいました。お互いハンドルネームでやりとりをしていたのですが、実はリアル職場で働いていた二人だったというお話。

女性側はそのことに気づいたのですが、相手は気づかないまま。職場も同じだったことから、自分は相手の恋人になれないことを悟るのですが、このシーンがまたじーんときます。というか出てくる女性は失恋の涙がぼろぼろ流れていきます。

男性側はいったい誰なのかというと、まさかのあの人物でーーー。

続きは原作をチェック。

 

まとめ

分厚いページ数だったため、速読していまい思ったより「感情的な」部分がいまいち伝わってきませんでした。というか大事な部分もすっ飛ばしながら読んでいた感が否めません...。

しかし!

書店員の熱意と、紙の本(のみならず活字が印刷されている本自体)が売れなくなってきている現状をリアルに描いた良い一冊だったと思います。本が一冊万引きされたら、いったい何冊の本を売れば利益が取り戻せるか。個人的にはこのフレーズが一番印象に残りました。もっと本屋さんを大切にしよう。そう思いました。

 

読書会をきっかけに手に取った本が良書でよかったです。

それではまた!

 

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