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【東野圭吾のスキーシリーズ第一弾】『白銀ジャック』感想

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あぁ、どうしてこんな身近に名作が潜んでいたことを僕はいままで知らなかったのだろうか。自己啓発などという甘いお菓子のような本ばかりに気を取られ、人生に必要な養分を摂取してこなかった代償は大きいとつくづく思う。

 

そも小説を読んでこなかったのは一冊読むのに時間がかかるからだ。自分のためになることをするのであれば、やはり質より量だ。たくさんの本を読まなければいけない。

簡単な本でも積み重ねていけば人生の糧になるはずだ。そんな思いで本を読んでいたことは否めない。

しかし、一冊の小説をー誰が読んでも名作だといえるー読んだときに味わえる、極上の面白さをなぜいままで手に取らなかったのだろうか。悔やんでも仕方ない。

 

というわけで今回読んだのは、東野圭吾先生の『白銀ジャック』

 

 

 

内容紹介

2014年8月2日(土)よる9時よりテレビ朝日系列でドラマスペシャル化! 

ゲレンデの下に爆弾が埋まっている――

「我々は、いつ、どこからでも爆破できる」。
年の瀬のスキー場に脅迫状が届いた。警察に通報できない状況を
嘲笑うかのように繰り返される、山中でのトリッキーな身代金奪取。
雪上を乗っ取った犯人の動機は金目当てか、それとも復讐か。
すべての鍵は、一年前に血に染まった禁断のゲレンデにあり。
今、犯人との命を賭けたレースが始まる。
圧倒的な疾走感で読者を翻弄する、痛快サスペンス! 

 

なぜ名作を読んでこなかったか悔やまれる

発売日を確認したら2010年10月15日。その頃の僕といえば、まだ専門学生をやっていた頃だ。本もろくに読まず、現実も見ず、ただこうなりたいというあやふやな目標を追いかけていた時期だ。この『白銀ジャック』という名作を青二才だった僕が手にとっていたら、きっと読書の趣味に目覚めていたと思う。それぐらいに面白い作品だった。

 

物語にはさまざまな伏線が絡みあう。

スキー場で爆弾を埋めた、爆破されたくなければ身代金を用意しろという正体が掴めない犯人。

ゲレンデででの不意な事故で、妻を亡くした夫と子供。

ロイヤルスイートに宿泊しているスキー場のスキー客。

新米パトロール隊員。

いったい誰が犯人なのか。

スキー場で繰り広げられるサスペンス劇がたまらなく面白かった。

 

伏線をしっかりと収集してくれる

東野先生の作品は最後まで安心して読んでいいと思う。というのも広げた伏線はすべて回収して物語を終えてくれるからだ。実にきれいな終わり方をしてくれる。

 

つい最近、恩田陸先生の『六番目の小夜子』という作品を読んでみたのだが、これがまったくの逆。最後までミステリアスな展開で、広げた風呂敷は畳まず広げたままという。そういう作品として読むことができれば面白い作品だということは間違いないが(現に大変面白かった)。

 

  

しかし中には、意味もなく風呂敷を雑に広げたまま、読者を放置するといった作品も多い。

いわば東野先生の作品には「ハズレ」がないと言ってもいい。

 

小説を全然読んだことがない人にとっても、この「東野ブランド」は安心して飛び込んでもいいのだと個人的に強く思う。

 

ドラマ化されていた!

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2014年になんとスペシャルドラマ化されていたことに、ブログ執筆中にGoogle先生から教えていただいた。渡辺謙・岡田将生・広末涼子など錚々たるメンバーが出演していた。

 

作中ではアクロバットなスキー・スノボー技が繰り広げられていたけれど、どのように映像化されたのかとても気になるところ。YouTubeで動画が見当たらなかったので、DVDなどでレンタルできればいいなと思う。

 

現実世界とリンクするかどうか

過去に二回、スキーもしくはスノボーにチャレンジしたことがあったが、いずれもハマらなかった。滑ったというよりは転んだ記憶しか残っておらず、当然楽かったという思い出がカケラほどもない。

小説を読んでいくにあたっては、想像力をフル回転させスキー場をイメージしていた。ただ新潟という雪国で育ったおかげか、雪の質感であったりは想像がついた。

 

例えばこの作品を雪が降らない地域の人が読んだらどうなるか?

沖縄の人たちが読んだらどうなるのかが個人的に、ふと気になったところではある。

 

雪に触れたことがない、スキーやスノボーに親しみがない人でも、『白銀ジャック』は楽しんでいただけると思う。というのもスキー場を舞台にしてはいるが、物語で重要になるのは、主人公らが自らの正義を貫けるかどうかが見所なのだ

 

主人公たちスキー場の整備係は、お客第一に爆弾が埋まったスキー場を閉鎖させるべきだと訴える。一方社長をはじめとした経営者側の人間は、おおごとにしたくない、身代金を払って穏便に済ませたいと世間体ばかりを気にしている。

読者側からくっきり「正義」「悪」が分かれて見えるので、物語の筋としてはとても読みやすい。

 

そこに様々な脇役たちが混ざり合って、サスペンスさが増している。

 

 

 

しかし、ここまで語って最後にいうのもなんだけれど、東野先生の作品は『白銀ジャック』と『祈りの幕が下りる時』の2作品しか読んでいない。

これからもっと読んでいく著者の一人であると言えるだろう。

それではまた!

 

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