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【男性もキン○マで妊娠する世界がガチで笑えない】『消滅世界』感想

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面白そう!と手に取る本がだいたい一年くらい前に出版されてた本だったりします。どーも、走るとり(@hashirutori00)です。

 

以前読んだ『火花』もそうなんですが、出版されて話題になって、世間の熱が冷めたころにようやく読み始める節が僕にはあるようで。というか一年前まではほとんど自己啓発本しか読んでいなかったので、純文学作品はことごとく読んでいなかったのが正直なところ。

面白い作品は話題になっている最中に、もしくは話題に上がる前に読んでおきたいと思う今日この頃。

 

そして今日読んだ本は、2015年12月30日に出版された『消滅世界』です。こんな面白い本が一年以上も前に出ていたなんて...。

 

 

 

内容紹介

「セックス」も「家族」も、世界から消える……
中村文則・岸本佐知子氏驚愕! 朝日、読売、東京・中日、週刊読書人他各紙で話題。日本の未来を予言する圧倒的衝撃作。

世界大戦をきっかけに、人工授精が飛躍的に発達した、もう一つの日本(パラレルワールド)。人は皆、人工授精で子供を産むようになり、生殖と快楽が分離した世界では、夫婦間のセックスは〈近親相姦〉とタブー視され、恋や快楽の対象は、恋人やキャラになる。
そんな世界で父と母の〈交尾〉で生まれた主人公・雨音。彼女は朔と結婚し、母親とは違う、セックスのない清潔で無菌な家族をつくったはずだった。だがあることをきっかけに、朔とともに、千葉にある実験都市・楽園(エデン)に移住する。そこでは男性も人工子宮によって妊娠ができる、〈家族〉によらない新たな繁殖システムが試みられていた……日本の未来を予言する衝撃の著者最高傑作。

 

常識が覆る近未来型サスペンス

『コンビニ人間』もそうなのですが、村田先生の描く作品はとても不気味です。その不気味さがどこから来るのかというと、現実味があり過ぎて身近に感じてしまうところから来るのだと思います。

 

人工授精が進み、人類は交尾をする必要がなくなった。父と母が体の交わりを持つことは忌み嫌われる行為へと変わった。交尾すること自体がもはや時代遅れになる。

今では考えられないけれど、もしかするとそう遠くない将来、『消滅世界』の世界が現実になるかもしれません。

 

描かれていることは今の常識から見ると、ほぼ「狂気」にしか見えませんが、それも時代によって徐々に変わっていくものだと思います、

 

常識は変わっていく

世間の常識は目まぐるしいスピードで変わっていきます。

 

マイホームを購入することを夢見る時代は終わり、格安で住めるシェアハウスが出て来たり。車も今はシェアできる時代になりました。自分で保有する必要がない時代になったなと感じています。

 

効率重視で物事を考えると、これからもっといろんなことが変わってくるのではないかと予想されます。

 

コンピューターの技術革新が進み、人間の仕事の一部がロボットに取られる時代が来ると予想されています。車の運転もロボット。掃除もロボット。工場などの単純作業は人間よりもロボットの方が速度も正確性も遥かに上です。

いま人間が普通にこなしている仕事が、ロボットがするようになる。考えられなかった現実が、徐々に変化しています。

 

お店の店員もロボットになり、いつかロボットに接客される日が来るかもしれませんね。

 

 

話は作品について戻ります。

人間の繁殖方法は、人類が誕生してから一切変わっていません。

ですが、研究が進み『消滅世界』のように交尾が一切必要がなくなる日が来るかもしれません。

陣痛を伴わない出産が可能になったとき、いったいどれくらいの人が受け入れることが出来るのでしょうか?

あの痛みを感じることが出来なければ、子どもを産んだことにはならない、という意見を持つ人が少しは出るかもしれません。

 

...なんてことを男性の僕が考えながら読めたのも、この作品の見どころのひとつかなと思いました。

 

時代が変わるとき、人は正常でいられるか

その時代の常識に慣れることが、人によっては異常に見られるかもしれません。

シェアハウスは効率的だと考える人もいれば、「家族以外の他人と暮らすなんて考えられない」と考える人もいます。前者の考えを持つ人が増えつつあるのが、今の社会の現実です。

 

「お母さんは洗脳されていないの?洗脳されてない脳なんて、この世の中に存在するの?どうせなら、その世界に一番適した狂い方で、発狂するのがいちばん楽なのに」

 

昔の人たちからすると、我々現代人はもはや狂ってるのかもしれません。

 

まとめ

うまく伝えられなくて申し訳ないのですが、とにかくこの『消滅世界』は不気味です。次回作の『コンビニ人間』は主人公の異常な世界に焦点を当てた作品ですが、今作は異常な世界で生きる人たちがどう変化し、何を感じるかという作品です。

 

痛みを伴わない出産。

男性も妊娠できる世界。

「家族」という形だけの人。

 

この作品を気持ち悪いと感じて、読むことをやめてしまう人もいるかもしれませんが、ぜひ最後までその不気味さに浸って欲しいと思います。

技術革新が進み、物語の世界がもし現実になったら?自分だったら何を感じるのかを考えながら読むと楽しいですよ。

 

それではまた!

 

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