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【スピーチライターという職業を知っていますか】『本日は、お日柄もよく』感想

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人前で話すのは好きですか?

 

はい、大好きです。と言える人はあまり多くありません。どちらかというと苦手意識を持っている人の方が大半ではないでしょうか。

 

そんなスピーチを助ける「職業」があることを皆さんはご存知でしょうか。

今日は「スピーチライター」が活躍する『本日は、お日柄もよく』を読みました。

 

内容紹介

OL二ノ宮こと葉は、想いをよせていた幼なじみ厚志の結婚式に最悪の気分で出席していた。ところがその結婚式で涙が溢れるほど感動する衝撃的なスピーチに出会う。それは伝説のスピーチライター久遠久美の祝辞だった。空気を一変させる言葉に魅せられてしまったこと葉はすぐに弟子入り。久美の教えを受け、「政権交代」を叫ぶ野党のスピーチライターに抜擢された! 20万部突破の、目頭が熱くなるお仕事小説。

 

スピーチライターとは

スピーチライターは、スピーチの原稿の執筆だけではなく、スピーチ全体の質を高めるためにスピーチコンサルタントとしての役割を果たすこともある。例えば、話し手の発生や身振り手振りなどを指導するほか、衣装を決める、スライドを作成するといった演出のアドバイスをすることもスピーチライターの重要な仕事である。さらに、スピーチを経営や組織運営に最大限に生かすためにはどのように利用していけばいいかをアドバイスすることもある。

 

他作品では『学校のカイダン』

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『英国王のスピーチ』など

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スピーチライターが活躍する作品はいくつかあります。

『学校のカイダン』では、学校に革命を起こすため主人公の広瀬すずにスピーチライターの神木隆之介が演説の方法を伝授します。

『英国王のスピーチ』ではコリンファスナーが吃音に悩まされたイギリス王ジョージ6世を演じます。

 

両作品とも観たことがあるのですが、どちらもとても面白い作品でした。聴衆の心を鷲掴みにするスピーチは、一般人が考えた文章からは到底編み出せない、熱量を持った言霊となって響きます。

 

スピーチライターは主役を支える縁の下の力持ちというわけです。 

 

要所要所に泣けるスピーチあり!

物語は主人公が友人の結婚式に出席するシーンから始まります。

関係者からお祝いのスピーチがあるわけですが、最初の一人目の話が(大手企業の社長さんなのですが)まぁ、とてもつまらなく、退屈なわけです。言ってしまえばどこにでもあるような、味のないガムを噛み続けるような、退屈で眠気を誘う結婚の挨拶です。あまりの面白みのなさに主人公は出されていたスープに顔面からダイブしてしまうほどの眠気に襲われます。

 

しかしその後、涙が溢れるほど感動する衝撃的なスピーチに主人公は出会うことになります。そのスピーチをきっかけにスピーチライターという仕事に惹かれ、様々な困難を乗り越えて、一人前のスピーチライターを目指していく。というお話になっています。

 

刮目すべきはなんといっても素晴らしいスピーチの数々。

読んでいて何度も泣きそうになりました。

 

フィクション上の新郎新婦が結婚する。設定も何も出てきていない、いわばモブキャラ状態の登場人物に対して向けられる、結婚式のスピーチに、まだ本を開いて数ページしか読んでいない僕の目頭がぎゅーっと熱くなるのを感じました。

 

言葉は大事だなんて、この本を読まずしてよく言えたものだなと。

本当に人の心を打つ文書とはいったいなんだったのか。

 

『本日は、お日柄もよく』は小説ですが、本当の文章力を学ぶことのできるビジネス書としても読むことが出来るでしょう。

 

これであなたも話し上手になること間違いなし?!

スピーチの極意   十箇条

1.スピーチの目指すところを明確にする

2.エピソード、具体例を盛り込んだ原稿を作り、全文暗記すること

3.力を抜き、心静かに平常心で臨むこと

4.タイムキーパーを立てること

5.トップバッターとして登場するのは極力避けること

6.聴衆が静かになるのを待って始めること

7.しっかりと前を向き、左右を向いて、 会場全体を見渡しながらかたりかけること

8.言葉はゆっくり、声は腹から出すこと

9.導入部は静かに、徐々に盛り上げ、感動的にしめくくること

10.最後まで、決して泣かないこと

 

本文から引用。 

どの極意も日常生活でも使えるものばかりです。

 

良かった点、悪かった点

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物語ではオバマvsヒラリーの大統領戦の話が出てきます。世間でも話題になったのが、オバマ大統領のスピーチについてです。「Yes,we can」という言葉が流行したきっかけを作ったのも、スピーチライターがあってこそだと言われています。

言葉の力の大切さを知ることのできた討論だったと、物語でも書かれていますが、日常生活でも過去あった大統領選のことを取り上げられているので、その大切さを身近に感じることができました。

 

悪かった点は後半の政治・選挙パートが長かったこと。ここは賛否両論分かれるところだとは思うのですが、僕はもっと純粋に言葉の大切さなどを書いて欲しかった。Amazonレビューにもあったけれど、最初がクライマックスというのも正直当てはまるかもしれません。

 

あと、物語終盤でどうしてあの人を好きになっちゃうの?って悪い意味で意外だったこと。どこで好きになったんだろうと最後まで「?」が離れないまま物語が終わってしまったので、その点も気になりました。

 

まとめ

スピーチの極意満載のストーリーで幕を閉じてくれたのであれば、もう少し良かった作品として印象が残ったかもしれません。途中から選挙活動の話がメインにになってしまい、政治の知識がない僕は話についていけず(もっと勉強しろ)、途中すっ飛ばした箇所もいくつか。

 

最初の結婚式のスピーチがとても感動的で、その勢いでなんとか最後までページを読み進められた感じです。中後半にかけては、人によっては飽きがくる作品になっているかもしれません。

 

それでもスピーチライターという普段なじみのない仕事の内容を知ることが出来るし、言葉の大切さを知るいいきっかけになる本だと思います。とくに人前で話すことのある、営業職・販売職の方もにおすすめです。

 

それではまた!