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【平成生まれの男が昭和に生きた女をどう見るか】『本を読む女』感想

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どーも、走るとり(@hashirutori00)です。

絶賛、純文学を読み漁っています。そこで一番お世話になるのがブック○フ。108円(税込)で名作が読めるなんて、素晴らしいじゃないか。

本の選び方は、正直かなりてきとうに選んでいて、主にタイトル買い。今回購入したのはこちら『本を読む女』

主人公は本を読む美少女、ボーイミーツガール的ストーリーだとばかり思って手に取ったのですが...重たくのしかかるようなテーマで衝撃を受けました。

以下感想!

 

 

内容紹介

万亀は本を読むのが好きなだけの平凡な女の子。しかし突然の父の死と戦争の始まりによって、彼女の人生は否応なく時代の流れに巻き込まれてしまう。進学、就職、結婚という人生の岐路において、常に夢や希望を現実に押しつぶされつつも、読書を心の支えに懸命に自分の人生を生き抜いた万亀。著者自身の母親をモデルに、一人の文学少女の半生と昭和という時代を描いた力作長編小説。

 

著者について

1954(昭和29)年、山梨県に生まれる。日本大学芸術学部を卒業後、コピーライターとして活躍。82年のエッセイ集「ルンルンを買っておうちに帰ろ う」がベストセラーとなる。86年「最終便に間に合えば」「京都まで」で第94回直木賞を受賞。95年「白蓮れんれん」で第8回柴田錬三郎賞、98年「みんなの秘密」で第32回吉川英治文学賞を受賞(「BOOK著者紹介情報」より

 

平成生まれが昭和を読み解く

戦争には全く疎い僕です。映画もドラマも「戦争」がつくタイトルはほとんど観ることを避けてきました。邦画・洋画問わず、観る前から絶対に重たくて悲しいテーマだってことは分かっているし、その結末に向かって物語を進めるのも嫌だ!って感じで今まで避けてきました。だから戦争の知識もないし、物語の時代(昭和)の人たちがどのようにして生きたのかも知りません。学生のときに勉強した日本史の「だいたいこんな感じだったかな」ぐらいの知識しかないんですね。

なので、今回この本を読み終わるのにはだいぶ時間がかかりました(笑)

 

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ひとりの女性の壮絶な人生を描いた作品。なんと著者の林真理子さんの母親の実話を元に描かれた作品なんです。よりリアルに当時のことが伝わってくるようで、読んでいてドキドキしました。

今まで現代の女性を描いた作品はいくつか読んだことはあるのですが、昭和の、戦争を生き抜いた女性の話を読んだのはこれが初めてでした。

 

しかし、母親の人生を知れば、こうした小説が書けるというものではない。

母親の生きざまへの想像力、昭和という時代への洞察力がなければ、決して書けない。戦前の風俗についての資料も、ずいぶん読まれたことだろう。

 

あとがきにもこうあるように、自身の母親のエピソードをより細かく書くということは並大抵の洞察力では書けませんよね。

 

理不尽な時代に耐えた女性

平成生まれの、しかも男性には到底理解できるはずもない理不尽の連続に耐え、昭和を生き抜いた女性はやはり強かった。

今でこその男女平等。昔はそのようなことがあるはずもなく、「女性はこうであるべきだ!」の風潮は非常に濃く描写されていました。

「昭和」という年号を度外視しても、女性は強い。守るべきものがある女性はなおのことそう。

 

時代に流され、自分の思うように生きれないもどかしさ。

それでも強く生きる姿に、僕も身が引き締まる思いで読み進めました。

 

 

 

純文学を読んだ後は、まるでひとつの映画を観終わったときの感覚に似ています。

文章を読み、頭の中でイメージを膨らませてひとつの映画を再生しているような気分。

だから読み終わった後は、頭が疲れます。映画と違って、文字で情景を浮かべるので右脳を使って考えながら読まないと、映像と文字がうまくついてこない。 でもそれが面白かったりもするんだなー!

より純文学にのめり込めそうな秋の夜長なのでした。

 

まとめ

テレビなどでよく聞く、まさに「激動の時代」を描いた作品でした。どうしても主人公と自分の生まれた時代を比べながら読んでしまいました。

自分が生まれた時代はものすごい甘いんだな、とは思いません。生まれた時代それぞれに幸福や苦労の基準は違ってくるものだから。ですが、仕事や食べ物、お金に困らない今の時代に生まれてきたことへの感謝は忘れたくはないですね。

 

個人的には極度の方向音痴のため、ナビが使えるスマホのある時代に生まれてこれたことは非常に幸運だったともいえるでしょう(笑)

これが仮に昭和だったとしたら...道に迷って簡単なおつかいもままならず、電車の乗り換えもうまくいかず、鬱々とした日々を過ごしたに違いない、うん。

 

 

女性の強さとこの時代に生まれてこれた幸せに気づけた作品でした。

 

それではまた!